龍は雲にひそむ―章題から見る四龍島―
炎天 揺らめく
いかにも夏らしい陽の眩しさと暑さを連想させるタイトルです。
が、今回のメインストーリーは夜闇の只中で起こる背筋の寒くなるような幽霊騒ぎ。
こちらも夏の風物詩(??)のひとつではあるわけですが(笑)。
冒頭の上品な茶房給仕姿の飛くんが、羅漢(ルオハン)と剣の立会いをする場面がなんか好き。
小奇麗な格好して剣を振るう飛くんの姿を想像すると、祭礼衣装を纏った剣舞の華やかさには及ばないものの、
それに準じた華やかさを感じるので♪
マクパパ大龍(ターロン)の忌日前夜に、一足先に花路の花と香を供えに行く飛くんに、
茶房の香も供えてくれるよう頼む茶房主人の「せめて朱龍(チューロン)から運ばれてきた花のかたわらにでも」という台詞に、
今でこそ意味深なものを感じてしまったり。
この辺りから、朱龍の材木商『樹林房(シュリンファン)』の話が出てきますね。
一方、パパの忌日で憂鬱の虫に取り付かれているマクは、気を紛らすためか、
夜中に大龍廟にやって来た飛くんを闇討ち状態でお出迎え(笑)。
浅見さんの美麗イラストの所為でしょうか、そんなふたりの接近戦が、らぶシーンのように見えてしまうという不思議(笑)。
そんな忌日後に、老簫館付近で鬼火が出るとの訴えを耳にしたマク。
飛くんの危惧どおり、その事件に食いついて、飛くんを夜のデートに誘い、自ら事の真偽を確かめるべく件の場所へ出向きます。
そこでふたりが目にしたのは、鬼火と老簫の幽鬼だった…という展開。
鬼哭(きこく)
「鬼」といっても、角の生えた生き物のことではありません。
話の流れから分かるように、「幽鬼」…幽霊のことです。
なので、言い換えれば、幽鬼の「恨めしや〜」な恨み言…?(笑)
この章では、街の人々を怯えさせる幽鬼の正体を暴くべく、飛くんが頑張ります。
ま、結局、老簫の幽鬼は、白龍を追い出されたことに、恨みを持つ阿片窟残党が、
青龍の手先となって、街を混乱に陥れる為に打った芝居なんですけれども。
飛くんファンとして、見逃せない(細かい)ポイントをここで幾つか挙げましょう!
まずは、港にやってきた飛くんを、龍江街(飛くんが住まう茶房のある高級住宅街)まで送っていった李(リー)が、
その帰りに、千雲(チェンユン)を尋ねた件。
人を送ってきた帰りだと言う李に、千雲が一体どんな深窓の佳人を射止めたのかとからかうと、
李が当たらずとも遠からずといった顔で言い訳を探す、という場面があるのです。
おいおい、李!「当たらずとも遠からず」って、別にあんたは飛くんを射止めてないでしょーが!!(笑)
それとも、当たってんのはもしかして、飛くんが「深窓の佳人」だってこと?ニヤリ(悦)。
あとは、老簫館界隈の夜の見回りに出ようとした飛くんを呼び止めた羅漢が、
飛くんの美麗な袍姿を褒めて、「幽鬼も惑わされて、つい彷徨い出てきそうな姿だな」と言うところ♪
不器用な割には、結構言うじゃないの、羅漢ってば。
この調子で女性も口説ければ、もっとモテるんじゃないの?って、当の本人が望んでないか。
飛くん命。飛くんの右腕として働くことが羅漢にとっての幸せなのでしょう、きっと(笑)。
そうして、出掛けた先で、志願して見張りに立っていた花路の少年が、老簫の幽鬼(ホントは偽者)に出くわして、
半狂乱になってしまったのを、飛くんが優しく宥めて、正気に返らせる場面とかも好きだなあ…
全体れびゅでも取り上げておりますが(笑)、青龍ひいては今回の幽鬼騒ぎとも繋がりがあると睨んだ祥船の店里で、
飛くんが商人見習いを装って、調べをしている最中に、店の男にセクハラを受け掛ける場面もお気に入りです♪(笑)
その帰りに出会い、マクに引き合わされた千雲にも、たいそう美しい方だと言われる飛くんでした♪(嬉)
しかし、そのときはまだ、幽鬼騒ぎの中心人物が他ならぬ千雲であることに、飛くんは思い至らないのでした。
まあ、優しさゆえ何ですけどね(苦笑)。
前巻『誘う』でマクを守る為とはいえ、剣を向けたことを謝ったりしてますし。
思わぬ謝罪に、心密かに動揺する千雲も悪い人ではない筈なのですが…
そんな彼が何故青龍に与して、白龍を混乱に陥れているのか、その理由は、暫くは謎のままです。
辟邪(へきじゃ)ノ符
街に立て続けに起こる怪異を鎮めるためという名目で、辟邪の祭礼が行われる辺りですね。
その騒ぎに乗じて、敵を一網打尽にしようと飛くんは、花路の仲間を率いて大活躍。
華やかな祭礼衣装で、敵と立ち回る飛くんが、ツボです!!
飾らない飛くんももちろん好きなのですが、やはり、ときには綺麗に着飾った姿も見たい♪
だって、姫だもの♪♪(笑)
そんな姿で、アクティブに立ち回られると更にときめくのです!!
前章で飛くんへセクハラ行為を仕掛けた男が、艶っぽい新入りを装った幽鬼に誑かされたと訴えている最中、
飛くんを見て絶句し、額に辟邪の符を貼り付けられる様は何度読んでも可笑しいです(笑)。
お前、「親切に仕事の手ほどき」なんかして無いだろうが!
その邪な性根を符で祓えってことなんですかね?(笑)
ここで敵の根城を突き止め、突入して、幽鬼騒ぎを引き起こした張本人、蠍子(シエズ)を追い詰めた飛くんですが、
隙を突かれて脇腹を刺されてしまいます、痛い痛い!(お前が喚いても/苦笑)
その隙は、飛くんも衝撃を受けた、マクが技と翼人を逃がし、老簫を殺させた事実、
その翼人を心ならずも飛くんが殺めたという事実を、蠍子が知っていたことによって生まれたものだったのですが、
ここでつい動揺してしまうところが飛くんの弱点なんだな。
私にとっては、そんな弱点も魅力のひとつではあるのですが。
どんな状況にあっても、人の命が失われることに無頓着ではいられない、それって飛くんの優しさだと思うのです。
だからこそ、そんな理由で隙を作ってしまう飛くんが却って愛しいと言うか…
ちょっと真面目に語っちゃいましたな!!(照←?)
そうして、飛くんにダメージを与えてトンズラした蠍子は、カマキリを思わせると言うビジュアルはもとより(笑)、
性格、言動とも大嫌いですが、飛くんの清廉潔白さに苛立ちを感じ、汚してやりたいと思う心境は、
まあ、唯一理解できなくは無いかな?(苦笑)
こんなヤツに汚されて欲しくないですけどね!!ビジュアル的に美しくないし!!←美しければ良いのか?(笑)
ビジュアル的に、と言えば、焼け落ちる鬼船(敵の根城)から、飛くんが脱出する際、
羅漢に促されてその胸の中に飛び込む場面は、想像(妄想?)すると、ビジュアル的にときめきます♪
白龍(バイロン)夜話
つまり『白龍』=マクの夜のヤラシイ話ということ。
というのは冗談ですが、当たらずとも遠からず(笑)。
今回の幽鬼騒ぎが、千雲の仕業であることに気付き、更にそれを、
マクが煽ったことに気付いた飛くんが、マクのところに怒鳴り込む件がメインの筈。
飛くんの怒り顔に、上機嫌のマク。
そこで更に、激昂した飛くんは平手打ちをかましますが、マクは一向応えた様子はなし(苦笑)。
まあ、飛くんは怒り顔も映える別嬪さんなので、
マクの技と怒らせたいという気持ちも分からなくはないんですが、この男はやり過ぎです(苦笑)。
そして、窓際へ飛くんを追い詰めて、包帯越しに怪我した脇腹を撫で下ろし、撫で上げるというソフトSM攻撃!!
そのシーンを描いた浅見さんのイラストの、飛くんの表情がそれはもうもうヤバいくらい艶っぽくて!!!
今現在も見る度に、悶えまくって、もう、どうしてくれような状態に!!(若干意味不明)
これでは、マクが飛くんに対するソフトSM攻撃を止められないのも、無理ない…のかも?(笑)

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