龍は飢える

四龍(スーロン)島シリーズ十三作目は、『龍を飢える』。
四龍島シリーズ第二部始動です!
そして、のっけから「おおっ!」と喜びのけぞっちゃう(?)表紙イラスト♪
横たわった飛(フェイ)くんのくびすじに、マクが手に持った剣の刃を寄せています。
飛くんの襟元が肌蹴て露わになったくびすじと、艶を孕んだ表情だけで、
「飛くんがマクに押し倒されてる!」と騒げるなんて我ながらどうかしてます(苦笑)。
…いや、でも間違ってないじゃろ?(妄想も甚だしい)


マクシミリアンの婚礼も終わり、表向き平穏を取り戻した白龍(バイロン)市。
だが、飛(フェイ)の心の中には言い知れぬ嵐が吹き荒れていた。
また、マクシミリアンの強引な政策に花路(ホワルー)からも不満の声があがっていた。
そんな折、大酒庁(ターチュウティン)から白龍に『青龍(チンロン)』の後見を頼みたいという書状が届く。
他市の意向をはかるため、マクシミリアンはクレイ・ハーパーを伴って朱龍(チューロン)へ赴くが……。
待望の四龍(スーロン)島シリーズ第二部始動!

                                                      (文庫折り返し部分より)

ん、折り返し部分でも「第二部始動」と書かれてますな(笑)。
内容もだいたいは、上記の通りかな。
『群青を呑む』の婚礼シーンで、堪えに堪えた怒りをマクにぶつけた飛くんでしたが、今だその暗い思いは胸に燻っています。
今まで清廉潔白に生きてきて、理不尽ともいえる怒りを、
特定の誰かに抱いたことのなかった飛くんにとって、その事実は結構心労となるものらしく…
更には街のために、傷を癒す間も無く奔走し続けていた所為もあって、以前よりも少々面差しがやつれてしまいます。
しかし、それがまた、彼の色香を増して、その美貌を際立たせる結果にもなっているんですね、皮肉なことに(苦笑)。

「頭(トウ)の支度を手伝う娼妓たちが溜め息をつきながら手をとめるので、だいぶよけいに時間がかかってしまいました。
老蕭(ラオシャオ)館で遅いとお叱りを受けたときには、頭のせいにしましょうか」
その声と前後してぎしぎしと階段を踏む音が聞こえてくる。
見上げる先のなんとも華やかな姿を、思わず口をあけて孫(スン)は仰いだ。
(中略)
「人聞きが悪いな、葉林(ユエリン)大兄。まるで人を遅刻の種のように言う」
そう苦笑をこぼすのが、花路(ホワルー)の頭の飛(フェイ)だ。
猛者百名を率いるにしてはあまりに端正な容貌に、加えて今日は華やかな晴れの衣装。
このところわずかに頬のあたりが痩せたが、それがかえって整った顔だちを目立たせるようだった。
ときおりその瞳に憂いの色が過ぎるのに気づいた仲間は、
頭は苦しい恋でもしているのではないかと、ひそかに噂をし合っている。

                                               (本文28頁〜29頁より)

とまあ、こんな感じで。
↑は老蕭館に居を構えた『白龍』の正妻、雪蘭(シュエラン)への挨拶と剣舞の披露のために、花路が支度をしている場面です。
飛くんがやつれているのはそんな色っぽい理由じゃないのよう(笑)。
この後、老蕭館で顔を合わせたときもマクは、
思わせ振りな嫌がらせ(?)を飛くんに仕掛けてくるんですよね〜(苦笑)。
しかし、天然姫、雪蘭の発言は…(汗)
飛くんと顔を合わせて、以前会ったことを彼女は思い出すんですが、
「花園(ホワユァン)の牢房(ラオファン)につながれていた、あなた(『白龍』)の飼い犬ではないかしら?」ってあーた…(汗)
まあ、こうして見るとやはりきれい、と無邪気に喜んでいる辺りは、憎めないと言えるような、そうでないような(どっちだ)。
で、婚礼を終えた後のマクシミリアンは、今までとは打って変わって、精力的に街の主としての采配を振るっています。
また、屋敷の人手を増やし、守りも堅くして、街の政策のことで花路に諮るということをしなくなります。
青龍と争った折には、正面切って街を守るために命懸けで戦った、
孫を初めとする花路の若者たちにとって、この状況は不満に思わざるを得ないものでした。
もちろん、飛くんにとってもそうなのでしたが…

さてはて、この巻では新たなキャラが登場いたします。
雷英(リーイン)という、浅黒い肌に逞しい体躯ながら、
どこか品のある朗らかな笑顔の青年です(笑←何故笑う)。
飛くんがお世話になっている東州茶房が本土に店を開いている頃に共に過ごしたひとで、
飛くんは彼を「師兄(しけい)」と呼んで慕っていました。
この雷英が本土での商いを切り上げ、東州茶房に戻ってくるのです。
そして、この彼、誰あろう、飛くんの背中に神龍の刺青を彫ったご当人なのです!!
そう、あのいやらしいひとです!(断言すな)
それだけでもう色眼鏡で見ざるを得ません(笑)。
だって、刺青は痛みを伴う遊びでしょ。
それを飛くんの滑らかな肌に彫ったのよ?
しかも、背から腰に纏いつくような神龍の模様を!!
絶対にやらしい人だって、このひとは!!(笑)
…この所感は、後に当たらずとも遠からずだったことが明らかになるのです(大分後に/笑)。

一方、マクの元には、『青龍』の後見をお願いする使者がやってきます。
マクは、この後見の件を他の二市、朱龍と黒龍(ヘイロン)に認めさせるべく、まずは、朱龍へ赴くことにします。
ちょうど時期を同じくして、飛くんは玲泉(リンチュアン)の死(ホントは生きているのですが)を、
彼女が身を寄せていた樹林房(シュリンファン)へ知らせに、朱龍へ赴くことにします。
白龍屋敷を仲立ちとして新たに材木の取引を始めるべく、樹林房の使者としてやってきていた桃(タオ)と梁(リャン)に、
花路で再会した飛くんは、彼らに同道して朱龍へと入ります。
もちろん、マクと飛くんは朱龍で鉢合わせをしてしまいます。
よりにもよって、朱龍屋敷にて。   

・「龍は飢える」名場面。

ん〜、今回はどこにしましょうか……王道のマクと飛くんのシーンも捨てがたいですが、
やはり、飛くん総受派としては(そうなんか?)、敢えて違う男(笑)との絡みをピックアップさせていただきましょう♪
つー訳で、元悪徳材木商主人の男妾であった梁との戯れ合い(?)シーン。↓


酔いにかすむ目を手の甲で拭い、長椅子に寝転んでいる梁を無理やり引き起こそうと身を屈めて、
「あ……っ」
ちょうど屈み込んだところをいきなり抱き寄せられて、情けなく足もとがぐらついた。
仰向けに寝転ぶ梁の上に、どっと胸から倒れ込む。
「おい。ふざけている暇は……」
「いいって、いいって。桃のやつは放っとけよ。扉を開けられたところで濡れ場のさいちゅうなら、顔を紅くして逃げていくさ。
それより……憂さを晴らすんなら手っ取り早いのはこれと決まってる。
理由はなんだか知らねえが、しょげてちゃ美貌がだいなしだぜ、夫人(フーレン)」
「馬鹿を……う」
「機会があればお手柔らかにって言ってただろう。ほら、やさしくしてやるって、な……痛ててててててッ!」

                                              (本文180頁〜182頁より)

飛くんが酔い、また一緒にいた桃が席を外したのをこれ幸いと、首尾よく飛くんを長椅子に引き倒した梁でしたが、
すぐに腕を捻られちゃってる辺りの詰めの甘さが面白いというか、憎めないというか…(笑)
この調子では飛くんをモノにすることはできませんぞ!(いや、それでいいんですが)
しかし、『縛める』の初登場時に、飛くんをナンパしたときから疑っておりましたが、
やっぱり飛くんが好みのタイプだったのね♪梁ってば(ニヤリ)。
あ、ちなみに「夫人(フーレン)」というのは、既婚女性を指すものではありませんよ(笑)。
女性に対して使う尊称みたいな感じで。ニュアンス的には英語の「Lady」に該当するんじゃないかと。
それはさておき、この(↑)前からも梁は飛くんに、度々ちょっかいを出してるんですよ〜…
話しながらさり気な〜く肩に腕を回したりとか。
「俺にちょっかいを掛けても面白いことはないぞ」と飛くんが言っても、
「あんたは色気があるから、面白くないことはないと思うな」と返していたりして。
今までよりも、ちょっとやつれた感じが何ともいえない、さぞかし男にも女にも好かれるだろうさ、と請合っちゃったり。
それに対して飛くんは「大勢に好かれても困るだけだ」と返しておりましたが…
でも、実際そうなってるよ?(笑)

さて、この場面前後の経過をば。
桃、梁と同道し、朱龍樹林房へ辿り着いた飛くんは、樹林房主人、松妙(ソンミャオ)に、玲泉の死を伝えます。
松妙は飛くんを責めることなくそれを聞き、逆に彼を労わってくれるのです。
そのとき、ふと飛くんは、玲泉が自分の母ではないのかという疑問をつい口にしてしまいます。
しかし、松妙はその疑問をきっぱりと否定します。
飛くんと玲泉には似たところがないと。それは納得(笑)。
また、玲泉が樹林房へやってくる前は、朱龍屋敷へ侍女として上がっていたので、子を持つことは許されていなかった筈だと。
とはいえ、自分のために玲泉が命を落とした(いや、ホントは生きてますが!)事実には変わりなく、飛くんの心は晴れません。
そんな憂える彼を案じた松妙は、梁に気晴らしに連れて行ってやれと言い付けたのでした。
その梁と、一緒に行くと駄々をこねて、女主人を装った桃と一緒に出掛けた飛くん。
梁の馴染みの店で酒を呑んでいたとき、松妙と梁とが、今日は満月だが、
雨が降っているから出歩いても大丈夫だろう、というようなことを言っていた理由を訊ねます。
晴れた満月の晩には朱龍屋敷で、「満月宴(マンユエイェン)」と呼ばれる宴が催されるということ。
それはいかなる宴か。まあ、平たく言えば、朱龍屋敷の男狩りだそうで(苦笑)。
その晩は、屋敷の身内が屈強な男を従えて繰り出し、見付けた美男を問答無用で屋敷に連れ去るのだそうです。
次の日、すぐに帰される者もあれば、帰ってこなかった者もあり…という物騒極まりない宴であるのです(更に苦笑)。
ふいの店の外から桃が呼び出しに、こっそり出掛けたのがばれたかと桃が部屋を出て行った後。
飛くんは店の妙な雰囲気に気がつきます。
で、↑の場面になるのですが、この次の瞬間、屋敷の手勢が部屋に押し入ってきます。
満月宴は中止ではなかったのかと、梁は驚きますが、それどころではありません。
飛くんは抗いますが、梁に足を引っ張られる形となって、結局ふたり共に捕らえられてしまいます。
「美しい上に腕が立つ…逃しはせぬよ、そなた」と言う朱龍屋敷の身内の女が怖ぇ…(汗)
追い縋る桃を後に残し、飛くんと梁は朱龍屋敷に攫われていくのでした、あ〜あ……つーかピンチです!
飛くん貞操の危機!!このまま朱龍屋敷の女共に弄ばれ、喰われてしまうのか?!(笑)

で、雨なのに、満月宴が中止にならなかった理由。
実はとき同じくして朱龍屋敷の客となっていたマクが、青龍後見の対する『朱龍』の承諾を条件に、賭けをするのです。
それは、「朱龍の秘姫(ひき)」と呼ばれ、屋敷に使える侍女にさえ、
しかとはその正体を明かさない(マクの応対をしたのは、三夫人(サンフーレン)と呼ばれる屋敷身内の三人の老婆でした)
『朱龍』そのひとを見つけ出すというものです。
その為に、屋敷身内や侍女が残らず会する満月宴を、マクを月に見立てて、催すことになったのでした。

一方、屋敷の門前でも脱出を試みた飛くんでしたが、
ひとりの美しい傀儡(クォイレイ:中国の宦官のように、屋敷に使えるために男を切り落とした男。
でも見掛けは男装した女性のようで、宦官よりも綺麗な者が多そうです/笑)に邪魔をされ、再度捕らわれてしまいます。
衣装を変えさせられ、宴の場に引っ張り出された飛くんは、
そこで会うのを避けていたマクと正面切って顔を合わせることになるのです。
今回の満月宴は捕らえた美男たちに剣の立会いをさせ、勝ち残った者に、今夜一晩『朱龍』の相手を務めさせるというもの。
美女と噂の『朱龍』のお相手とあって、無理やり引き立てられた男たちも俄然やる気を見せ始めますが、飛くんと梁は別。
早々に負けるつもりで、立会いを始め、先に梁に負けを譲った飛くんですが、
次に立ち会った相手が弱過ぎて、つい勝ち残ってしまいます。
最後に残ったひとりは、それなりに強そうだと安堵したとき、急に立会いに加わりたくなったと、マクが割って入ります。
残ったひとりをマクが打ち倒し、飛くんはマクと対決することになりました。
そこで、負ける気がしなくなってしまった飛くんは(ま、それを見越してマクは割って入ったんでしょうけど/苦笑)、
胸に溜めた憤りをぶつけるように、マクと激しく剣を打ち合わせるのです。
それまで、歓声を上げていた屋敷の女性たちがあまりの気迫に声をなくすほどの激しい立会いに、こっちもどきどきはらはら。
結局、振り下ろされたマクの剣が折れ、飛くんの短刀が弾き飛ばされた時点で勝負は打ち切りとなりました。
そこで、マクは折れた剣を投げ、『朱龍』を名指しします。
それは、飛くんが逃げるときに邪魔をし、また、世話係としてマクに紹介された傀儡だったのです。
…そう言えば、飛くんが屋敷門前で、初めて彼女と顔を合わせたときも、「『朱龍』?」と呼び掛けたんだよね……と、
後の本編でも特に触れられなかったことながら、気になったことを指摘してみたり。
この(ほぼ無意識ながらも)一番先に飛くんが『朱龍』を言い当てた一件、
後になってああこういう理由だったのかなぁ、と深読みできる点なのです(笑)。

・「龍は飢える」ベストオブイラスト。

これはもうここしか♪

229頁のイラストさね!!

賭けに負けた『朱龍』は、白龍が青龍の後見をする件を承諾します。
そして、満月宴での立会いに心ならずも勝ち残ってしまった飛くんは、その夜の『朱龍』のお相手をすることに。ひえ〜っ!!
ピックアップしたイラストは、その『朱龍』に飛くんが寝台の上で押し倒されてる図なのですが!!
押し倒してるんじゃないのよ、押し倒されてるのよ!!(念を押す/笑)
し・か・も!褥の上に散り乱れる髪!!その乱れた髪の幾筋かが振り掛かり、僅かに眉が寄せられた苦しげな表情!!
はだけられた胸元!!解けかかった帯!!『朱龍』に掴まれた袍(パオ)の裾から覗く脚!!(脱がされてはおりませんが/笑)
このイラストの飛くんの全身から色香が漂っております!!もう〜、どうする、これ?!(興奮)
また、この場面で飛くんは、例え相手が女性であろうとも、襲われる方である、
つまりは総受であることが確定しました♪(私の中で/笑)
そういう訳でのセレクトでもあるのですよ、ふふ。
しかし、この『朱龍』を普通の女性の部類に入れてもいいものかどうか、迷いますが(苦笑)。
確かに、美貌は折り紙つきでございますが、街の主だからなのか、
それとも朱龍の女だからか、なんと言うか、言動が非常に「漢」らしいひとなのです(笑)。
飛くんの身体つきが細いので、女の相手をしたことがあるのか、と問い質そうとする三ババ…もとい、三夫人を、
「知らなければ教えれば済むこと」と止めたり、
『朱龍』となってから、幾人もの男を寝台に上げたとか、飛くんは何人目になるか知りたいかと訊いてみたり(笑)。
そして、「抗うな」だもんなあ…(笑)男性キャラならこういうこと言うのはいっぱいいそうなんですが。
しかし、『朱龍』自身は、今の生活を窮屈と感じ、不満に思っているらしく、そう戯れかかる口調もどこか皮肉気です。
飛くんはそんな彼女をも真っ直ぐに見詰め、臆することなく、思ったままのことを口にします。
彼女を「箱入りの紅玉」だと。
この件を切っ掛けに、心の内の不満を見透かされた『朱龍』は、飛くんに腹を立て、
あからさまに敵視するようになってしまうです。あちゃ〜…(苦笑)
しかし、飛くんはそれどころではありませんでした。
寝台の上での『朱龍』との会話で、飛くん(と、寝台の脇に居座ってたマク/笑)は、
現在、白龍屋敷の敷地内にある南荘(ナンチャン)にひっそりと住まう大龍(ターロン:マク父)の正妻、尊夫人(スンフーレン)が、
先代『朱龍』であったことを知らされます。
そして、彼女の幼名が玉蘭(ユイラン)と言うのだと。
そのとき、飛くんは自分の顔を見て、呟いた名がそれであったことを思い出します。
玲泉が過去、朱龍屋敷に仕えていた事実。
また、以前、青龍で再会したとき、飛くんが『白龍』と共にいることを知ってひどく驚いていたこと等々が思い出され、
飛くんは思わぬ己の出自に気付かされるのです。
自分が尊夫人の子であること。そして……
樹林房からの迎えが朱龍屋敷にやってきて、飛くんの貞操は守られるのですが、心の方はすでに崖っぷちです(苦)。
「寝台の上で女に意見する男はあまり好みではない」と、また、漢らしい台詞を吐きつつ、
『朱龍』は、次に後見の承諾を得に行くであろう黒龍(ヘイロン)は白龍に恨みがあるようだから気を付けろと、
マクに忠告して去っていきますが、崖っぷち飛くんはそんなことを気に掛ける余裕はなく…以下、飛くんの乱れた心地を抜粋。

では、まさか、この男と自分とは……半ば血がつながっているのか?

そう思いついたとたんに、笑い声を吐いていた。
乾ききった苦しいだけの笑いが、胸の底からせき上げてとまらなくなる。
そんな馬鹿なことがあってたまるか。
そんな滑稽な話は、あるはずもない。
質の悪い冗談をこの耳に吹き込むのはやめてくれ。
「触るな、『白龍』」
吐き捨てて、身を捩った。
「この手を離せ。さもなければ俺は、舌を噛む。朱龍屋敷の客房に骸の置き土産をしたくはないだろう」
「……たいそうな脅し文句だな」
「なんとでも言え。俺はとにかく、あんたに……触れられたく……」
とぎれとぎれに笑うあいまに、くだらない駄々をこねていた。
それが馬鹿馬鹿しくて、さらに自嘲の笑みがこみ上げる。
目のまえの銀灰の双眸には、そろそろ訝しむ色が滲んでいるではないか。
それでも、
「触るな……触らないでくれ…………こんな……ッ」

こんな馬鹿げたからくりを、いまさら目のまえに突きつけるのはやめてくれ。
                                              (本文237頁〜238頁より)

飛くん、壊れかけてます……(泣)
うわーん、ついに気付いちゃったよ!!(焦)
しかも、正妻の子となれば、妾腹の子であるマクよりも飛くんのほうが、
よっぽど血筋正しくなっちゃうわけですよ…これは否応なく嵐の予感(はらはら)。
マクの方は今のところ情報不足なので、飛くんが辿り着いた事実にはまだ気づいていません。
ただ、飛くんの様子がおかしいことだけは気付いて(そりゃそうだ、飛くんのことしか見てないもんね/笑)、
ちょっと戸惑ってます。
ある意味、珍しい光景(笑)を読者としては、拝ませてもらったわけですが、まず先に飛くんの心情を思ってしまって、
今一状況を愉しみきれなかったところが今となっては惜しいところです(笑)。

これから四龍島シリーズは、ますます波乱含みの展開となるのですが、今回の『龍は飢える』れびゅはここまで。
また、大分書いてしまいました(苦笑)。取り上げたいシーンはまだまだあったのですが(笑)。
ま、お定まりですが、気になる方は、実際にご覧になってみてね♪ということで。
ここまで、辛抱強くお付き合いくださいました方、ありがとうございました!!
お疲れ様でした〜〜(笑)。

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